院内町の石橋群

院内町の石橋群

密集度日本一の石橋群

大分県は全国で最も石橋が多い地域でありますが、中でもこの宇佐市院内町には75基もの石橋が残されており、うち、アーチ橋(めがね橋)は64基と日本一を誇っています。
  この地に石橋が多い理由はいくつかあります。一つは院内町の地形は深い渓谷を形成しており、その流れも急であるため、住民は頑丈で流されない石橋を必要としたこと。二つ目は石橋作りに必要な材質となる石が豊富に採石できたこと。そして三つ目は、生活に必要不可欠な棚田や石垣等を組む技術を持った優れた石工が多かったことです。
  中でも『石橋王』と呼ばれる石工の名棟梁・松田新之助は、関西でアーチ橋設計の技術を学び、明治30年に帰郷してからは「鳥居橋」など代表的な14基の石橋を手がけ、うち、11基が現存しています。その他にも、安心院町や本耶馬溪町にも彼が手がけた石橋が残っています。
  建設途中に崩壊した「富士見橋」を、名工の意地と信念で私財をなげうって完成させたという感動的なエピソードもあります。